オンラインストアでは、カートに商品が入れられても、その多くが購入されないまま放棄されています。株式会社イー・エージェンシーの調査でも、平均カゴ落ち率は62.9%とされており、多くのEC事業者にとって見過ごせない機会損失です。
この記事では、カゴ落ちが起きる主な原因と、購入が完了するまでのチェックアウトを改善してカゴ落ちを減らす12の具体策を紹介します。

カゴ落ちとは
カゴ落ちとは、顧客が商品をカートに追加したにもかかわらず、購入を完了せずにサイトを離れてしまう状態を指します。実店舗でいえば、商品を手に取ってレジの前まで進んだ顧客が、考え直して商品を棚に戻し、帰ってしまうような状況です。

カゴ落ちの主な10の原因
ECサイトやチェックアウト画面のユーザビリティを調査するBaymard Institute(ベイマードインスティテュート)の調査(英語)では、カゴ落ちが発生する理由として、次の10項目を挙げています。
- 追加費用:想定外の送料や手数料が購入の直前に表示されると、顧客は割高に感じて離れてしまいます。送料無料、または送料一律にする対策が有効です。
- 配送の遅さ:届くまでの日数が長い、あるいは目安が分からないと、購入をためらう要因になります。
- クレジットカードのセキュリティ不安:決済情報を入力する際の安全性が十分に伝わらないと、購入の直前でためらいが生まれます。
- アカウント作成のわずらわしさ:1回しか購入しないかもしれないサイトでの会員登録は、手間に感じられます。ゲストチェックアウト機能は、こうした離脱を抑える効果があります。
- チェックアウトの複雑さ:入力項目や手続きのステップが多いほど、途中離脱は増えていきます。
- 返品ポリシーへの不満:返品の条件が厳しい、またはわかりにくいと、顧客は不安を感じます。特に、初回購入の際にはその傾向が顕著になるでしょう。
- サイトのエラー:読み込みの遅さやページの不具合は、それだけで離脱の理由になります。
- 総額のわかりにくさ:最終的にいくら支払うのかが見えないと、不信感につながります。
- 決済手段の少なさ:顧客が使いたい支払い方法がないと、その時点で購入をあきらめてしまいます。
- カードの拒否:カードが使えなかった場合に代替手段がないと、そのまま離脱につながります。
なお、FORCE-R株式会社の国内調査でも、カート投入後に購入をやめた理由は「送料や手数料などの追加の費用が高かった」が46.1%で最多でした。国内のECでも、想定外の追加費用はカゴ落ちを招きやすい要因といえます。

カゴ落ち率の平均と計算方法
カゴ落ち率とは、カートに商品が入れられた件数のうち、購入に至らなかった割合のことです。株式会社イー・エージェンシーがECサイトの利用実績をもとに集計した調査では、2025年の平均カゴ落ち率は62.9%でした。
自社のカゴ落ち率は、次の式で求められます。
カゴ落ち率(%)=(購入に至らなかったカート数÷商品が入ったカート総数)×100

カゴ落ち対策12選
- 顧客ごとにパーソナライズする
- カゴ落ちメールを送信する
- ロイヤルティプログラムを導入する
- ライブチャットを活用する
- 決済方法を増やす
- チェックアウトを簡素化する
- 離脱防止ポップアップを使う
- リターゲティング広告を配信する
- 購入時の不安を減らして信頼を高める
- ソーシャルプルーフを活用する
- 返品をしやすくする
- プッシュ通知を送る
1. 顧客ごとにパーソナライズする
サイトの表示や機能を顧客一人ひとりに合わせてカスタマイズするパーソナライズは、チェックアウト完了の可能性を高めます。リピーター顧客のニーズに合わせたセール情報や割引を提示したり、決済プロセスを簡略化したりすることで、カゴ落ちの原因を回避することができます。
その基盤となるのが、購入履歴や検索ワードなどの自社で集めた顧客データ(ファーストパーティデータ)です。Shopify(ショッピファイ)なら、複数のデバイスやチャネルの情報をひとつの顧客プロフィールにまとめることができ、精度の高いパーソナライズを実現します。
2. カゴ落ちメールを送信する
カートに商品を残したままサイトを離れた顧客へ、リマインドのカゴ落ちメールを送る施策です。購入意欲のある相手に直接届けられるため、売り上げにつながりやすい特徴があります。
また、株式会社イー・エージェンシーの調査では、カゴ落ちメールの平均開封率は42.6%、クリック率は9.6%、コンバージョン率は2.3%でした。Benchmark Email(ベンチマークイーメール)の調査によるメルマガの平均開封率25.54%、クリック率1.45%と比べても、カゴ落ちメールの効果は高い水準にあります。
ShopifyアプリのStoreCRM(ストアCRM)を活用すれば、メールとLINE(ライン)の双方でカゴ落ちリマインドを自動配信できます。
3. ロイヤルティプログラムを導入する
ポイントや会員ランクなどの仕組みで、購入の後押しや再訪を促す方法です。購入時の特典を明確にすることで、顧客が「今買う理由」を感じやすくなり、チェックアウトを完了させる動機が生まれます。ShopifyアプリのeasyPoints(イージーポイント)などを使えば、ポイント付与や会員ランク、クーポン連携を設定できます。
4. ライブチャットを活用する
購入前の疑問をその場で解消できると、離脱を防ぎやすくなります。たとえば無料のShopify Inbox(ショッピファイインボックス)を利用することで、購入中の顧客とチャットでき、閲覧商品やカート内容、過去の注文を見ながら対応できます。商品提案や割引案内も会話内で行えるため、購入直前の不安や迷いを減らすのに役立ちます。
5. 決済方法を増やす
使える決済手段を幅広くそろえておくと、決済段階のカゴ落ちを防ぎやすくなります。SBペイメントサービス株式会社の調査では、物販ECサイトで普段使う支払い方法がない場合、6割以上が離脱し、他サイトや実店舗で購入する、または購入をやめるとされています。
Shopifyペイメントを活用すれば、各種決済サービスと個別に契約や導入手続きを行うことなく、多彩な決済方法に対応することができます。顧客がワンクリックで決済を完了できるShop Pay(ショップペイ)に加え、クレジットカードや、PayPay(ペイペイ)などのモバイル決済、コンビニ決済など、よく使われる手段に対応しておきましょう。
6. チェックアウトを簡素化する
入力項目や手続きのステップが多いほど、離脱は増えていきます。Visaが2026年3月に発表した「オンライン決済に関する調査」では、消費者の31%がカード情報の入力や認証を不便に感じたことがあるとされています。
Shop Payを導入すると、顧客は配送先やクレジットカードの情報を保存でき、入力や認証の手間を減らせます。手続きの負担が軽くなるほど購入完了まで進みやすくなり、カゴ落ちを防げます。
7. 離脱防止ポップアップを使う
サイトを離れようとした顧客に、クーポンや送料無料の案内をポップアップで表示する方法です。ただし、表示頻度や内容によっては購入体験を損なう場合もあるため、コンバージョン率や離脱率の変化を見ながら調整する必要があります。
ShopifyアプリのPromolayer(プロモレイヤー)を活用すれば、ポップアップやバナー、クーポンルーレットなどを作成して設定できます。
8. リターゲティング広告を配信する
一度サイトを訪れた顧客に向けて、再訪を促す広告を配信する手法です。ShopifyアプリのGoogle & YouTubeを使えば、Shopifyの商品データをGoogle Merchant Center(グーグルマーチャントセンター)と連携し、YouTubeを含むGoogle広告の配信に活用できます。カートに入れた商品や関連商品を広告で再び見せることで、購入を迷っていた顧客の再訪につながりやすくなります。
9. 購入時の不安を減らして信頼を高める
株式会社NEXER(ネクサー)と株式会社SCORE(スコア)の調査では、初めて利用する通販サイトで最も不安に感じる点として「クレジットカードや個人情報の漏えい」が32.4%で最多でした。決済の安全性やプライバシーへの配慮を示す信頼バッジなどを提示することで、購入前の不安をやわらげることができます。
あわせて、配送日の目安や指定など、購入前に知りたい情報を示せると、不安を一段と減らせます。Shopifyアプリの配送日時指定.ampを使えば、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便などの各社に最適化された形で、配送希望日時を顧客が選択できるようになります。
10. ソーシャルプルーフを活用する
ほかの顧客の声は、購入の後押しになります。レビューや評価、購入者数といったソーシャルプルーフを商品ページやカート画面の近くに載せると、顧客の不安を減らせます。ShopifyアプリのCREMA: Product Reviews & UGCを使えば、写真・動画レビューや星評価、レビュー依頼メッセージの自動配信、SNS投稿の表示が可能となります。
11. 返品をしやすくする
返品が簡単だと伝われば、顧客は安心して購入できます。Shopifyには返品を一元管理できる機能が標準で備わっており、受付から返金、在庫の戻しまでをスムーズに行えます。ShopifyアプリのRecustomer(リカスタマー)を活用すれば、返品や交換、キャンセル対応の一部を自動化できます。
12. プッシュ通知を送る
Shopアプリなどを利用している顧客には、プッシュ通知で再アプローチできる場合があります。また、閲覧履歴に合わせて新商品やセールを案内すれば、離れた顧客を呼び戻すきっかけにもなります。CRM PLUS on LINEなどのShopifyアプリでLINEと連携すれば、カートに残した商品のリマインドや再入荷の知らせをLINEで届けることもできます。
まとめ
カゴ落ちは、原因をひとつずつ解消していくことで着実に減らせます。追加費用の見せ方やチェックアウトの簡素化など、取り組みやすい対策から始めてみましょう。一度設定して終わりにせず、数値を見ながら検証と改善を重ねることが大切です。
ネットショップの開業や改善を検討中なら、ECプラットフォームのShopifyがおすすめです。Shop Payによるスムーズなチェックアウトや返品管理、メールやSNSを使った集客機能といったECサイトに欠かせない機能が揃っています。無料体験も実施していますので、ぜひ一度お試しください。
カゴ落ち対策に関するよくある質問
カゴ落ちはなぜ起こる?
- 追加費用
- 配送の遅さ
- セキュリティへの不安
- 購入手続きの複雑さ
- 返品ポリシーへの不満
- 決済手段の少なさ
カゴ落ちを改善する方法は?
- カゴ落ちメールを送信する
- ライブチャットを活用する
- 決済方法を増やす
- チェックアウトを簡素化する
- 返品をしやすくする
カゴ落ち対策に使える無料ツールは?
- Shopify Inbox
- easyPoints
- Promolayer
- Google & YouTube
- CREMA: Product Reviews & UGC
- CRM PLUS on LINE
- Shop Pay




